警戒区域内の立入保護が終わりました。

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12月7日から始まった警戒区域内でのペットの救出活動が
12月27日に終わりました。
21日間の公益立入許可でしたが、
実働は12日間でした。
許可条件は、厳しいもので、
NPO法人である事、自前のシェルターを持っている事、工程表や報告書提出などがあり、
全ての民間愛護団体が参加できるわけではありません。
法人格を持たない団体さんは、どこかの団体に所属してメンバーとして参加するしか方法はありませんでした。
許可申請の書類提出から許可が下りるまで、結構の時間を要しました。
環境省、福島県に書類を提出し、その書類を原子力保安院オフサイトセンターにてチェックし、
審査が通れば環境省、福島県に書類が戻り、審査済の書類を貰い、
今度は、被災地の市町村へ提出します。
市町村は申請書をオフサイトセンターへ出して、審査を受けてから書類が戻り、許可証を発行します。
約2日間ほどで市町村からの立入許可が下ります。
この一連の事務手続きが済まないと許可が下りないのです。
なんで、2回も同じ審査が必要なのか、まったく同じ書類を2か所へ提出し、同じオフサイトセンターの審査を受けて許可が下りる。
もっと簡単にできる方法があったのに・・・。
お役所仕事の不思議さです。
また、被災者からの保護要請が無ければ許可は下りません。
被災者本人からの委任状が必要なのですが、行政に確認したら、メール履歴での保護要請でも可能でした。
以前から被災者より保護要請の受付を行っていましたので、容易に出来ましたが、
保護要請を受付けていない団体さんは、各々、被災者さんへ要請を求めなければいけないのです。
これに時間が掛ります。
保護要請が真実かどうかの確認を、行政は1件1件、被災者宛に電話で確認をし、
保護依頼が有ったと認められれば承認済の印を押印した書類が戻ってきます。
後で気づいたのですが、
まじめに保護要請のあった方々全員の書類を出したものですから、
全員の確認作業が必要だったわけです。
要領よく1町村に1件の保護要請なら6町村だから6件で済んだのに・・・・。
これらの一連の作業が、まぁ、煩雑なところでした。
14日に許可が下りてから、2日目で次の許可申請をしなければなりません。
というのも1回の申請では1週間の許可しか下りないのです。
また、許可申請提出期限も12月20日までとなっておりますから、
16日の金曜日までに出さないと土日を挟んで火曜日が20日ですから、結構、タイトな日程でした。
間に合わなければ、21日~27日最終日の許可が難しくなるため、
仮シェルターの久ノ浜から、2時間掛けて福島県庁へ走りました。
その足で、各市町村へ書類を持って、FAXをしたり、忙しく廻りました。
コンビニでFAXを借りて送り、許可証を滋賀本部に送ってもらい、
また、ガソリンスタンドでFAXをお借りして、受け取ったりと事務作業も大変でした。
なかにはFAXでの許可証は無理で原本しか発行できない町もあり、役所まで取りに行かなければならない所もありました。
これでやっと、21日からの立入が出来たのでした。
当初は愛護団体さんも少なく、2回目申請に間に合った団体さんが21日からは倍以上に増えました。
立入の様子は
楢葉町の検問所で警察のチェックを受け、
その後、
県の指定する集合場所で、再度、チェックを受けます。
車の内外をチェックし、写真を撮影されます。
保護に関係のない物の持ち込みは禁止されています。
もちろん、車が申請書通りの車両であるかの確認や、
搭乗している人間の名前の確認も受けます。
申請書通りの人と車のチェックです。
廻る場所毎に市町村の許可が必要です。
許可がない市町村での活動は出来ません。
通過のみです。
まぁ、民間団体も行政も初めての経験ですから、
テストランみたいなものですかね。
戸惑いも結構、ありました。
保護した被災動物の写真撮影はOKですが、それ以外の撮影や情報公開は禁じられています。
1団体が違反をすると、すべての団体は保護活動が出来なくなります、と警告を受けました。
某団体がマスコミから頼まれカメラを回し報道した事で、始末書を書かされたそうです。
警戒区域内では、警察の検問が多かったです。
全国の警察が出動していて、巡回のパトカーに職務質問を受けます。
神奈川県警であったり愛知県警であったりです。
名前、住所、職業などを聞かれます。
1回の職質で約10~20分くらい時間を取られます。
車には目印として黄色のリボンを付けて、外から一目で保護団体だと分かるようにしていますが、
巡回する警察は、この黄色いリボンの存在を知らなかったようです。
行政と警察との連携がなかった為でしょう。
それ以外でも、日替わりのようにチェック事項が変わった事もありましたね。
保護活動終了後の点検済の書類を途中から貰って警察の検問所を通過するようになったり、
タイベックス(防護服)以外に、靴にも防護ビニールの装着をするように変わったり、
放射能被爆をチェックする線量計を持参して保護動物に当てて計測し、報告をするのですが、
集合場所では、行政のガイガーカウンターで計測をすることが、途中で決まったりしました。
なにもかもが初めてのトライだと言うことでしょうか。
警戒区域内では、
以前と変わり、放浪している犬猫は、少なかった。
若犬が居たのは、震災後に産れて大きくなった犬だろうと想像できます。
震災から9か月ですから、ほぼ成犬ですものね。
猫も犬同様に繁殖していると思われます。
猫団体さんは、毎回、10~20頭と捕獲器に入った猫を保護していました。
これからのお世話が大変ですね。
総括ですが、
これから厳しい冬が到来し寒さや冷え込みが厳しくなってきます。
そのうえ、餌もないわけですから、
子犬や子猫は、この厳しい環境の中、生き抜いていけるのか、
親犬や成犬猫も同様に、生きていけるのか・・・
保護活動中も雪が降ってきたし、寒さは厳しいものでした。
9か月もの間、人と接していないペットたちは、
確実に野生化しています。
本来、狼を祖先とするイヌ科ですから、自然界で生き抜くために本能が蘇るのでしょう。
放浪している犬を見かけても一瞬は立ち止まりますが、逃げます。
人を知らない若犬は、人を見かけただけで逃げます。
冬を越して生き延びた子は、野生化したままの野犬となり、
飼犬にはなれない。
悲しい現実です。
国は、放射能被爆の影響を考慮した判断であったと理解しますが、
もっと早くに今回の公益立入を許可すべきであったと思います。
そうしていれば、もっと多くのペットたちを救えたと思います。
被災を受けた方々の元へ戻る確率が高かったはずです。
国の判断が、遅かった。
動物愛護の後進国と言われ続けた結果です。
これからは、この教訓を、確実に活かしてほしいと願います。
被災犬へのサポートのお願い
当団体では、被災地より324頭の命を保護致しました。
そして、再び警戒区域での救助活動を行っています。
医療費・交通費・現地で急遽調達する物資などが必要です。
一頭でも多くの子の命が救えるよう、頑張ります。
ご支援ご協力を重ねてお願い致します。
お振込先
郵便局:口座番号:14630-16534321
口座名義:特定非営利活動法人 動物愛護団体 ANGELS
トクヒ)ドウブツアイゴダンタイエンジェルズ
滋賀銀行:今津支店・普通口座・番号:598577
口座名義:特定非営利活動法人 動物愛護団体ANGELS
トクヒ)ドウブツアイゴダンタイ エンジェルズ
三井住友銀行:口座番号 : 普通預金 1601289
店番 : 赤川町支店(店番138)
口座名義 : 特定非営利活動法人 動物愛護団体ANGELS
トクヒ)ドウブツアイゴダンタイ エンジェルズ
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滋賀シェルターで必要な物資のお願い
赤字は緊急でお願いしております。
★犬用★
*缶詰フード(銘柄は指定はございません)
*ドックフード・成犬用(ユーカヌバ・アイムス・サイエンスダイエット)小粒・超小粒
*犬小屋(中古品で構いません)
*カドラー(犬用プラスチックベット・中型犬用)
*液体洗濯洗剤
*洗濯柔軟剤
*トイレシーツ(スーパーワイド)
*バンテージ(くっつく包帯)
★猫用★
*キャットフード(ヒルズ・ロイヤルカナン)
*猫缶
*猫砂
*爪とぎ
★その他★
*石油ファンヒーター
(極寒の地です。犬舎内暖房が利きにくくヒーターを追加したいです。)
*洗濯機(9キロ以上でお願い出来れば中古品で大歓迎です。)
*複合機
*ボランティアさん用のドリンク(お茶・野菜ジューズ・コーヒーなど)
送付先:520-1651滋賀県高島市今津町酒波1186-2
エンジェルズ本部
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2012年Angelsカレンダー購入申し込み
*追加注文をしました。追加の発送は年を越えますが、ご注文をお待ちしております。
2012年度カレンダー申し込み(パソコンから)
2012年度カレンダー申し込み(携帯電話から)
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お散歩隊緊急募集
滋賀シェルターでは、多くの被災犬達が生活しています。
午前作業から入って下さると助かりますが、夕方のお散歩だけなら・・・と、ご協力頂ければ幸いです。
特に平日ボランティア様のご協力を重ねてお願い致します。
*宿泊設備がございます*
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3.11の震災の日まで普通に生活していた子達です。
家族が見つかるまで、どうか家庭で過ごさせてやって頂けませんでしょうか。
ホストファミリーのご協力をお願い致します。
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統括が綴る「活動日誌」も併せてご覧ください。
http://teamangels.blog89.fc2.com/
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コメント
- 誠にお疲れ様でございました。参加された愛護団体の皆様に感謝します。親戚、知人に広報します。少しでも理解者、支援が増えますように。
- 寒い中お疲れ様でした。その後ワン、ニャン達の体調はいかがでしょうか?
新潟中越地震の時、当時の村長、長島忠美氏(現自民党)は支援は後から来る
言うことで独断で、牛を自衛隊のヘリで運ばせたそうです。それに比べ管元首相は
会議ばかりで無駄に時間を使い他の政治家達はただ「管下ろ」しを叫ぶだけで被災者達の
ことはそっちのけ、それでは首相が変わっても同じです。国の判断は遅すぎました。
政治家達も反省すべきです。
貴団体の迅速な行動にはいつも頭が下がる想いです。色々非難する人はいるけど結局
何もしてない人です。どうか負けないで下さい。これからも応援してます。
来年はどうか穏やかな年になることを祈ってます。
- 寒い中大変な活動をありがとうございました。
今回入った方々、とにかく時間との戦いだったとか・・。
エンジェルズさんは何度も最初にはいっていたから、とても手際よく保護ができたのですね。
今保護しているワンちゃんたちの飼い主さんも早くみつかるといいですね。
リストや地元でポスターで貼るなども効果があるとか。地元の方のお手伝いさんが必要になりますが・・。きっと会えたら皆が喜びますね。