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動物愛護団体ARK-ANGELS 代表ブログ「ずばり一言!」

レスキュー始動




とんでもない酷い環境下の崩壊現場へ、レスキュー活動に着手しました。
私の率直な実感では、「ひろしまDP」以来、いや、それ以上の環境だと思います。
おそらく、全頭が感染していると思われます。
皮膚病の疥癬に感染しています。それらを放置していたから最悪の状態になっています。
HPの日記に画像を掲載していますので、それをご覧になっていただければ、十分に分かると思います。

あそこまで酷い疥癬は見た事がない。
「ひろしまDP」でも皮膚病の酷さは、酷かったが、それをも上回る状態でした。
頭数こそ、「ひろしまDP」のそれには及ばない現場だが、環境は悪い!!!

獣医師は、現場にて診察を始めましたが、「こんなに酷い疥癬は初めてだ」と、言われていました。
犬たちは、痛いというより痒くてたまらないのでしょうか。
一度も切った事もない、長く伸びた爪で掻きまくります。
長く伸びた爪は、刃物のように鋭くなっており、簡単に皮膚を傷つけます。
瘡蓋が重なり、まるで皮膚にきのこが生えているみたいだ。
どうすれば、あそこまでの状態になるのか、想像も見当もつかない。
皮膚病の子たちの犬種が判らなくなっている。
全頭、へアレス状態だからだ。毛の無い肌が象のような肌になっていて地肌の色も黒ずんでいる。
チワワやポメ、ヨーキー、パピヨンは、ヘアレスドッグのチャイクレと見間違う。
ダックスとビーグルの区別も難しい・・・・。
同じ犬種を飼っている方なら、この意味合いも判るだろう。また、どうしたら、どんな飼育をしたら、このような姿になるのか???
理解に苦しむ。

痒さのため、ストレスが生じて食べる気力もないのだろう。
みんな、痩せてぐったりはしている。
それでも、私達が現場にいれば尻尾を振ってくるのです。
あまりにも けな気で涙ぐんでしまう。
みんな、早く助けて欲しい。と、叫んでいるように聞こえる。

人間に愛情の一欠片でもあれば、ここまで放置することはないだろう。
呆れてしまって言葉も出ない。

この崩壊現場では
雄と雌が同じ場所に生活しているのだから、当然、交配が起き、仔犬が生まれる。
飼主は別々に仕分けていた、と言うが、私達が現場に入った日に産まれたての仔犬が4頭居た。
3頭は生後1週間くらい、1頭は生後1日だ。まだ、へその緒が付いていた。
親らしいプードルはまだ、お腹に数頭はいると思われる。
生後1日の1頭は、生きようと一生懸命頑張っていたが、当日、病院にて懸命の治療にも拘らず、他界した。生後1日の運命だった。

昨日より本格的にレスキューに着手して、スタッフ、ボランティア含めて15名にて現場にて作業を開始したが、初めての参加スタッフは、
息が出来ないような悲惨な現地での作業は困難だったようだ。
疥癬まじりの粉塵を吸い込み、マスクを二重にしていても息苦しいのだ。
ゴム手袋は伸びすぎた爪で引き裂かれ、すぐに破けてしまう。

「ひろしまDP」の経験が生かされていた。
手際よく、清掃と犬達の移動、そして治療の進捗、爪きり、獣医との連携プレー、カルテを用意していたので、個体識別、健康チェック、疥癬治療など、
ほとんどが流れ作業の中で、スムーズに進んだ。
今日の診断の結果で、今後の治療計画を獣医師と相談することにしている。
医療チーム、清掃班、搬送班、物資班、ゴミ出し班、撮影班、全てがレスキュー経験が生かされた現場での活動であった。

私は、飼主との交渉と所有権の放棄および現地での作業の許可、近隣住宅の協力依頼などと書類面での契約、誓約書などの作業だ。
告発も視野に入れての作業が必要。証拠となる負傷犬の確保など。
レスキューに着手するまでに必要な物は全て、徹夜作業になったが事前に用意していた。

「ひろしまDP」にて、多くの方々からご支援頂いた物資が、ここで完全に生かされている。
不足な物は、支援金で賄っています。
救助活動には、お金がかかります。それもご支援頂いた援助金が役立っているのです。
このような悲惨な現場に遭遇しても、すぐに、躊躇することなく着手できるのは、日頃からご支援を賜っている支援者の皆様のご厚意があるからです。
また、仕事を放り出しても駆けつけてくれるスタッフやボランティアの協力体制もあるからです。
本当に、感謝しております。

レスキューに着手する決断を下したときから、レスキュー計画、予算組み、物資の調達、人員の確保など、実践するまで、24時間でした。
そして、レスキュー開始1日目で、全頭、無事に確保、保護できました。 行政では、こうは出来ないよね。

保護した以上、全頭を治療して、命を救わなければならない。
1頭たりとも死なせてはいけない。と、心に決めています。全員がそう、決意しています。
悲惨な現状を見て、涙をするのは、助けた後です。
現場へ入った時は、命を救う事が最優先です。 涙や感傷は、堪えて、後回しなのです。

でも、心の中は、涙と怒りで震えながらの作業です。
スタッフたちは、お互い、言葉に出さなくても顔を見合わせれば、わかる。 みんな、理解はしているのです。

1日目の作業は夕方まで続きましたが、全員、ずぶ濡れでした。
暑さと悪臭、疥癬交じりの粉塵とで、状態は最悪です。
頭からホースで水をかける者もいました。
感染を防ぐ為に、全員、ビニールのカッパ姿。 風を通さないので余計に暑い!!
頭はビニールのキャップ、手にはゴム手袋。足は長靴。
まるで、サウナ状態です。 そして、私も、痒い・・・・・・。

でも、目の前にいる子達を救う気持ちが熱いので、頑張れるのです。

「ひろしまドッグパーク」レスキューでは、色んな非難中傷がありました。
活動も制限されて来ました。
訴訟事もありました。
一部の方からは寄付金や物資も返せ、とも言われました。
一部の反対派による妨害もありました。

それでも、私たちは堪えて、ブルセラ事件にも関わりました。
それらは、全て目の前に居る悲惨な現状の彼等を救いたい一心と、多くの支援者が見守ってくれて、信じて私達を応援をしてくれていると確信しているからです。
だから、頑張れるのです。
多くの方々からの声援が私を強くしてくれているのです。

何を言われようと、くじけずに頑張れるのです。
お陰で、今回のレスキューも1頭残らず、全頭保護が成功したのです。

これからが、本番!!
現地で救済活動をします。 現地に行くまで2時間はかかりますが、毎日、通います。
治療を開始していき、痒みを止めて、普通に食事が出来るようにしてあげたい。
この子達を、普通の可愛い犬に戻します。
そして、第二の犬生を送って貰えるように、過酷な現場で「悲惨」と戦います。

今、もっとも必要な物は、私達が動く「活力」です。
支援者の皆様のエールなのです。 「アーク・エンジェルズ、頑張れ!!!」と。


ちなみに、過去にこの崩壊現場を行政は立入り検査をしていた。
行政は、所有者に指導はしたが、それ以上は何もしなかった。 それが感染を拡大していき、最悪の状態になっていたのが現状だ。
施設内をすべてチェックできなかったそうだ。と言うより、悲惨な状況を見抜けなかったらしいのだ。
役人は保護しないで、全頭、殺処分をするとも言われたそうだ。


(犬の疥癬症)
 疥癬症はヒゼンダニによって起こる皮膚病です。このダニは肉眼では見えません。接触感染が強く、激しいかゆみ、皮膚に赤いブツブツができ、耳、肘、腹部、足の付け根に最も多く寄生します。このダニの寄生が確認されたら完治するまで他の動物との接触は避けてください。
人間では一時的な皮膚の炎症を起こしたりします。感染したと思われる場合は皮膚科のドクターに相談してください。環境の清掃も行いましょう。
人にも感染はしますが、体内でのダニの増殖はしないそうです。

(人の疥癬症)
ヒゼンダニ(疥癬虫)というダニの一種が、皮膚の角質層内の寄生しておこる皮膚感染症です。古代バビロニアの時代から知られており、数千年の人類の歴史に影響を与えてきた病気です。ナポレオン時代の戦争で疥癬の流行がフランス軍の戦意を失わせたのは有名です。肖像画のナポレオンが胸に手を入れているのは、疥癬で痒いため、と言う話も有ります。












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